【Stray考察】今って何年？

　人型のロボットなど近未来を思わせる描写もありながら、どこかローテクな雰囲気も併せ持つ「Stray」の世界。実際のところどれくらいの時代設定なのだろうか。ゲーム内で確認できる数字を根拠にして考察してみたい。

　まず前提として、ゲーム中での時間の概念が現代のものと同じであることを確かめる必要があるだろう。気づいた方もいるだろうが、街でみかけるアナログ時計はすべて16時間で一周するような文字盤になっている。もしもこの時代での一日が24時間でないのなら、それを計算にいれて考察する必要がある。

　正直なところ、文字盤がこのようになっている理由はわからない。強いていうのなら、昼夜の概念がない街に対応させたとか、休養を必要としないロボット達が一日を短くしたとかが考えられるが、どれも証拠はない。

　少し悔しいがこれ以上考察できる材料がないので、以降は分かりやすく現実世界の暦で考察を続けていくこととする。なお、一部の時計は秒針が動いており、これを追いかけるとちょうど現実時間の60秒で一周するようになっている。つまり、1分＝60秒の定義はおそらく変わっていないようだ。

　最初に考察するのはスラムのバーにあるロボットの写真。今月のベスト従業員を賞するもののようで、そこには「9月XX27年」の記載がある。"今月の"であるから、更新を忘れていないのであればこれがそのままゲーム中の西暦になる。肝心の千と百の位がぼかされており結局はっきりはわからないが、少なくともまだ西暦で4桁だということは間違いないだろう。

　ところでこの「9月」であるが、なにか見覚えはないだろうか？実はゲーム中でよく見かける日めくりカレンダーは、すべて9月11日を示している。ここでの考察は省くが、ここからもなにか導くことが出来るかもしれない。

　次は、「アパート」チャプターの壁に掛けられている、B-12の学位証をみてみよう。下のほうには、学位を得たであろう日付がばっちり記載されている。これによれば、B-12が学位を得たのは2198年2月15日らしい。

　B-12は卒業後に科学者として働いたのちに、意識転送を試み、それに失敗してしまった。本人曰く数百年はコンピュータの中に閉じ込められたらしいが、やはりはっきりした年数はわからない。だが、B-12の経歴と各地のロボット達の証言とを照らし合わせると、かなり具体的な数値を導き出すことができる。

　ではロボット達の証言を聞いてみよう。まず、ミッドタウンにいるKrooniは、仲間が逮捕されてから350年が経過しているらしい。現在がわからないので逮捕された月日は不明だが、B-12のいう数百年とは矛盾しない数値だ。

　もう一人はスラムのエレベーターにいるRonin。明日に374歳の誕生日を迎えるそうだ。そもそも、彼らのいう誕生日とはなんなのだろう。ボディの製造日として考えると、それを考察する材料がほぼないのでもはやこれ以上考察できない。だがなんとなくであるが、製造後374年は浅すぎる気もする。

　人の心を得た日であればどうだろう。私の考察どおりであれば、おそらくロボット達に人格を転送したタイミングは、皆おおよそ同じのはずである。つまり、彼らのいう「年齢」に大きな差は出ないと考えるとことができる。これであれば、KrooniとRoninの証言は矛盾しなくなる。Pabloはだいたい20歳前後で逮捕され、今は370歳くらいだというわけだ。

仲間が収監される憂き目に合ったKrooni
ちなみにPabloはジェイルで無事に生きている

　どんどんいこう。意識転送を行ったタイミングはみな大体おなじ。大事なポイントは、これにはB-12も含まれているということだ。上にも書いたとおり、彼は2198年に学位を得て、その後家族を失い、自らも病にかかり転送を試みている。ここまでは人間の状態であるから、あまり長い時間は経っていない。家族を親族と考えるか、配偶者と考えるかによって差は出るが、意識転送を試みたのは2200年から2240年くらいではないだろうか？そこからロボット達の年齢、約370歳を足せば、現在は2570〜2610年という結果になる。街の荒れ具合や外部の状況を考えれば、なかなかそれっぽい数値といえるかもしれない。

　最後にオマケであるが、スラムのEliot宅にあるMomoの落書きを見てみよう。これによれば、Momoが人間の心を持ってから2,544,875,556日が経過したらしいが、これを現在の暦で年に直すと、おおよそ700万年になる。…さすがにこれはオカシイだろう。これだけの時間が経過して街が原型をとどめているとは思えない。残念ながらこれはヘタレのMomoが適当に書いたというほかないだろう。